hi, hikaru

『駅すぱあと』でお馴染みヴァル研究所で、テクニカルエバンジェリストとして働いている丸山が綴るブログです。

ブランチとCLRを組み合わせて、論理の繋がりを見える化してみる

先日、『TOC×Facilitationサロンイベント TOCファシリテーションの掛け合わせで、何かがわかる、何かが変わる』というイベントに参加してきました。

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日常の会話を論理的に整理する方法が私の中で大ヒット❗️ これは覚えて日常で使ってみたいなーと思ったので、備忘録としてこちらにまとめようと思います。

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まえおき

「あーあ、運動しても全然痩せなくて困ってるよ」

「わかる、私も。」
「僕は全然運動してないけど痩せてるよ!原因は他にあるんじゃない?」
「ヨガとかいいよ!私はそれで痩せたから!」

さて、このまま会話が進むと、話があっちらほっちら散らばってしまって、会話が噛み合わなくなってしまいます。

この会話を論理的に整理するにはどうしたら良いでしょうか?

論理の繋がりを見える化しよう

ここで、二つの道具『ブランチ』と『CLR』が役にたちそうです。

・ブランチ

『ブランチ』とは、TOC for Education(教育のためのTOC*1で言われている、考える為の道具のひとつです。

ブランチを使えば、ごちゃごちゃっとした物事を、原因と結果の因果関係を示しながら、論理的にシンプルに整理することができます。

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【公開版Vol1】論理的に考えよう!ロジックツリー&ブランチ より

例えば、「今日は天気がよかったからランニングをしたよ」をブランチで表すなら、

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もし 天気が良ければ 結果としてランニングをする

となりますし、

「昨日は天気も悪いし体調も良くないから、ランニングはやらなかったよ」なら、

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もし 天気が悪いかつ体調が悪いならば 結果としてランニングを行わない

となります。

CLR

CLR』とは、Category of Legitimate Reservation の略で、論理性を検証する4つの視点です。 因果関係を検証する時に用いるチェックリストのようなものです。

この4つの視点の質問を正しい順番で行うことによって、相手の思いや考えを引き出し、論理的に話を噛み合わせることができます。

質問の順番 種類 質問例
1 明瞭性の懸念
使っている言葉や文章の意味が曖昧でないか
「〜はどういう意味ですか?」
2 存在の懸念
言っていることが本当に存在しているか、事実か
「〜というのは本当ですか?」
「みんなって言うけど誰?」
「常にそうなのですか?」
「具体的には?」
3 因果関係の懸念
因果関係が正しいか
「〇〇の結果、××が起こるんですね?」
「もし〇〇ならば、結果として××と読んで見てしっくりきますか?」
4 十分性の懸念
他にも原因があるのではないか
「他に原因はありませんか?」
「それだけで××が起こるんですね?」

質問の順番が重要です。 まずは明瞭性を確認し、次に、それは存在するのか、因果関係はどうなのか・・を順に確認していきます。

例えば・・・
「〇〇さんから依頼された作業、なるはやでお願いします。」に対して、

「それは本当にやらなければいけないのですか?(存在の懸念)」
「〇〇さんに依頼されたら、なるはやな作業が発生するんですか?(因果関係の懸念)」

などの、存在や因果関係を確認する前に、「なるはやとはどういう意味ですか?」 という、明瞭性を確認するべきなのです。

二つを組み合わせると・・

最初に出たこの発言

「あーあ、運動しても全然痩せなくて困ってるよ」

これをブランチで表してみると

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もし 運動をしているならば、結果として痩せない

となります。

ブランチをみて、CLRに基づいて質問をしてみます。

まずは明瞭性の確認です。

  • 運動とは、具体的に何をしているのか
  • あなたにとって、何がどうなったら痩せたことになるのか

質問の回答を付け足して、またブランチに直します。

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もし、月に1回5kmのランニングをしているならば、結果として体重が50kgを切らない

次に、存在の確認です。

  • 必ず毎月5km走っているのか
  • 体重を測っているのは本当か
  • 本当なら、どのタイミングで測っているのか

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もし、月に1回5kmのランニングをしている かつ 毎日、朝一に体重を計るならば、結果として体重が50kgを切らない

その次は因果関係の確認です。

  • この因果関係はしっくりくるか

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もし、月に1回5kmのランニングをしているならば、毎日、朝一に体重を計る
もし、毎日、朝一に体重を計るならば、結果として体重が50kgを切らない

最後に、十分性の確認です。

  • 体重が50kgを切らないのは、他に原因はないか

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もし、月に1回5kmのランニングをしている かつ 毎週1回以上ラーメンを食べているならば、毎日、朝一に体重を計る
もし、毎日、朝一に体重を計るならば、結果として体重が50kgを切らない

最初の発言の
「あーあ、運動しても全然痩せなくて困ってるよ」

と、比較すると、因果関係がはっきりして、議論がしやすくなったと思いませんか?

終わりに

ブランチやCLRといった道具を活用した、論理の繋がりを見える化する方法についての話でした。

会議や打ち合わせはもちろんですが、自分の頭の中の考えを整理する時も活用できそうだなと思いました!

ただ一つ疑問に思ったのが、ブランチで AかつBかつC というように、2つ以上並列で置くことはできないんですかね? 体重が50kgを切らない原因が他に4つくらいあるような気がしてw

*1:ゴールドラット博士の「TOC思考プロセス」を、子供でも扱いやすいように3つの構成にしたシンプルな考えるための道具です。ブランチの他に、クラウド、アンビシャス・ターゲット・ツリー(ATT)があります。